毎日新聞のインタビューを受けたついでに、非正規滞在外国人(不法滞在者など)の統計を調べた。入管庁によると日本にいる非正規滞在者は現時点で8万2892人。1993年に30万人ぐらいいたが、厳しい取り締まりで2012年には6万人を割り、その後に外国人観光客増加などもあり漸増している。日本では出入国記録がしっかりしているので、入国記録と出国予定日までに出国したかを比べることで不法滞在が分かる。
欧州諸国ではどうか?意外なことに各国とも正確な統計がない。EU加盟国の間では人々は自由に移動でき、国境での検問や出入国記録もない(なかった)からだ。例えばフランスで不法滞在状態になっても、英国に移動してしまえば両国ともそれを把握できない。
英国では政府が2005年に43万人という推計値を出してから公式統計がない。アメリカの調査会社ピュー・リサーチセンターによれば、2017年の英国の不法滞在者の推定値は80万人から120万人。英国の人口は約6800万人だから、人口が約2倍の日本に引き直すと160~240万人もの不法滞在者がいる計算になる。彼らがどこで何をしているかは把握されていない。反移民・難民の動きが強まるのも無理はない。
同じくドイツに100~120万人、フランスに30~40万人、イタリアにも50~70万人、アメリカに至っては桁違いの1100万人の非正規滞在者がいる。こうしてみると日本の数字の小ささが目立つ。
日本は島国で出入国が事実上は港・空港に限られて国境管理がしやすいとは言え、入管庁はこの数字を誇ってよいだろう。
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